おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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「今宵、フィッツジェラルド劇場で」

おすぎ

今宵、フィッツジェラルド劇場で
ロバート・アルトマンは偉大な監督だったと私は思っています。

M★A★S★H マッシュ」も傑作でしたが、彼はアンサンブル劇において、その才能を見せつけてくれました。「ナッシュビル」のように音楽を題材にしたもの、「ショート・カッツ」のように人間の側面を巧妙に描いたものは特に素晴らしいものを持っていました。

そのアルトマンが去年11月に亡くなりました。
そして1本の映画を残してくれていました。
それが「今宵、フィッツジェラルド劇場で」であります。

ミネソタ州のセントポールにあるフィッツジェラルド劇場では雨の土曜日の夜、全米のリスナーに長年親しまれてきたWLT局のラジオ番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の最終公開録音が行なわれようとしていた。
この映画は、この公開録音に参加するミュージシャンとMCのギャリソン・キーラー、保安係、ステージマネージャー、その助手、配給係などのスタッフが織り成す、楽屋とステージの模様を描いた、「ショート・カッツ」プラス「ナッシュビル」を2で割ったような楽しい映画です。

見どころは沢山ありますが、特にメリル・ストリープリリー・トムリンがデュオで歌う“スワニー”は必見であります。思わず笑ってしまったり、手を叩いてしまいたくなるような映画です。

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「パフューム ある人殺しの物語」

おすぎ

パフューム ある人殺しの物語
原作はドイツで15週連続でランキング1位を獲得した小説です。原作者パトリック・ジュースキントは、長い間、頑として映画化を許可しませんでしたが、ドイツのプロデューサーで「薔薇の名前」を製作したベルント・アイヒンガーが名乗りをあげると、彼なら許すと映画化が実現したのです。
それが「パフューム ある人殺しの物語」です。

原作と製作がドイツ、舞台はフランスで、出演しているのはイギリスの俳優、話す言葉は英語という国際色豊かな映画になりました。
何キロ先の匂いを嗅ぎ分けることが出来る青年ジャン・バティスト・グルヌイユは香水調合師になり、至高の香水を創り出します。その製法は映画を見てお楽しみに…。
それが原因でグルヌイユは断頭台にあがることに…。
このラストの驚愕は想像を絶するものであります。首を落されるのを見に集った何千人の男と女がグルヌイユのある動作で、全員が服を脱ぎ去り、男と女、女と女、男と男と身体を重ねあいます。
そう、肉の饗宴、それも壮大な…。

果実や肉は腐る寸前が最高の味だといいます。
「パフューム ある人殺しの物語」は腐る寸前の味のする最高の映画です。香りを初めて映像化した映画と言ってもいいでしょう。
必見の娯楽大作です。

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「ドリームガールズ」

おすぎ

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25年前にブロードウェイで幕を上げた傑作ミュージカルがやっと映画化されました。1961年から10年くらい活躍した“ザ・シュープリームス”というグループとモータウンレコードの創始者ベリー・ゴーディJr.をモデルとしたミュージカルで、今の若い人は知らない人も多く、かろうじて“ザ・シュープリームス”のリード・ボーカルだったダイアナ・ロスがソロになって活躍していたのを憶えているようですから、この映画で、こんな素晴らしいミュージシャンや、事業で成功すると人間が変わってしまう経営者たちのドラマを楽しんで欲しいのです。

そしてナンバーの美しさに酔ってください。新人のジェニファー・ハドソンの歌う“And I Am telling you I'm not going”を堪能し、ハドソンが歌う“One night only”をビヨンセ・ノウルズがディスコぽく歌っているのを聞いて酔って欲しいのです。

D.ロスをモデルにしたディーナを演じるのがビヨンセ・ノウルズで、スターになっていくうちにドンドン美しくなるのも見もの。一番ビックリするのはソウルとロックを融合させてパワフルに歌うエディ・マーフィの姿でしょう。
この人ってここまで出来るのォと大感激。
とにかくとてもいい気持ちにさせてくれる映画です。

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「華麗なる恋の舞台で」

おすぎ

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サマセット・モームの原作“劇場”を映画化したのがハンガリーの巨匠イシュトヴァン・サボー監督作品「華麗なる恋の舞台で」であります。舞台大好き人間は必見の映画だし、映画ファンも、この作品には拍手喝采、間違いなしでしょう。

1938年のロンドンで舞台女優として並ぶもの無しのジュリア(アネット・ベニング)は外見と違って、毎日の生活にウンザリしていた。そこに息子と同じ年齢のアメリカ人青年トムが現われ、恋におちてしまいます。この時のアネットが素晴らしいのです。退屈している時の顔と、若者と一夜を共にしたあとの朝の顔が180度変化する。見ていて思わず“判るわぁ〜”と共感してしまうのです。

ところがトムに若い恋人が出来、それも新進の女優。トムに頼まれて次の舞台で共演することに…。監督は夫のマイケル(ジェレミー・アイアンズ)。リハーサルに入った途端、夫とその女優が怪しい関係らしいと息子のロジャーが教えてくれた。

さあ、ジュリアの復讐が始まる。といっても、この時点で何が起こるか観客には判らない。でも、映画がすすむうちに、アッという驚きが…。熟年女性の怖さは、なんと鮮やかで、なんと華麗で、なんと痛快なことか…。楽しい楽しい映画!!

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