おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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ブレイブ ワン

おすぎ

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ジョディ・フォスターという女優を今さらながらスゴイ!! と思いました。「タクシードライバー」が14歳の時。あれから30年以上の歳月が流れ、ズーッと一線で活躍出来てる理由(ワケ)が判るような気がしたのが「ブレイブ ワン」 でした。

今までも“処刑人”とか“仕掛人”など映画、テレビで見てきましたが、面白いストーリーを楽しむ気持ちだけで、登場人物の悲しみや痛みを肌で感じることはありませんでした。まあ、被害に直接あっていない人物が、法で裁けない悪人を法に成り代わって処刑するっていうものが大半だったので、痛快ではあってもリアル感は薄いものだったからでしょう。

しかし、今回の主人公のエリカは、婚約者と散歩に出掛けて暴漢に襲われ、自分も3週間意識不明の重傷を負い、婚約者は死亡という目に会って、拳銃を手に入れた途端、別の人格が目覚め、悪に向かって毅然とした行動に出るという事を観客は“正当”に受け止めるはずです。そして、それらの事件を捜査するNY市警の刑事との出会いも、刑事役のテレンス・ハワードの好演によって無理のない納得のいくストーリーとなっています。

ラジオのパーソナリティが事件の前と後で声の出し方の違う、細かい演技を見せるジョディに拍手!!
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グッド・シェパード

おすぎ

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ロバート・デ・ニーロが13年振りにメガホンをとった映画「グッド・シェパード」は静かな映画です。エージェントものの代表作といえば「007/ジェームス・ボンド」のように派手なアクションが売りもののもの、と思っている人ってケッコウいるみたいですが、本来のエージェントとはかなり地味なものかもしれません。

「グッド・シェパード」のオープニングはイェール大学に通うエドワード(マット・デイモン)が大学内のエリート集団、秘密結社スカル&ボーンのメンバーとして参加した集会で先輩のフィリップ(ウィリアム・ハート)の紹介でサリヴァン将軍(ロバート・デ・ニーロ)に会い、第2次大戦中の対外情報活動に参加して欲しいと誘われるところから始まります。

そして卒業後、上院議員の娘クローバー(アンジェリーナ・ジョリー)と結婚、その当日、海外赴任命令のため戦略事務所(OSS)の一員としてロンドンに飛ぶことに…。そして戦後、CIAの創設にかかわり、エージェントとして厳しく自己を押さえた人生を歩むことに…。

CIA職員の生活がいかに家庭を犠牲にしなければならないか、息子でさえ自分の腕に抱きしめられない現実を、キューバ・ピッグス湾事件をクライマックスに描いていきます。マット・デイモンの19歳から41歳までの役作りが見どころ。

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ヘアスプレー

おすぎ

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この何年、とても良く出来たミュージカル映画が登場しています。「オペラ座の怪人」「レント」「ドリームガールズ」とステージより映画の方が感動してしまうものばかりでした。その楽しいミュージカル映画群に、さらに1本追加されるのが「ヘアスプレー」であります。

1987年にジョン・ウォーターズ監督が作ったカルト・ムービーの傑作である「ヘアスプレー」を2002年、ブロードウェイがミュージカル化し、それを映画化したのが今回の「ヘアスプレー」。ただ舞台をそのまま映画にしたのではなく、オリジナル映画の要素に新しいナンバーと振付を加えて、バージョンアップされての映画化は、舞台が持つメッセージ性を押さえて華麗で楽しい青春ミュージカルにしています。

特に1,000人のオーディションで選ばれたトレーシー役のニッキー・ブロンスキーは出色であります。チビでデブなのに歌わせたらオープニングの“グッド・モーニング・ボルチモア”から見てる方が嬉しくなってしまう程のうまさ。そしてダンスも、この身体で、これほどまでチャーミングに踊れるかぁという具合。

そして、母親エドナ役のジョン・トラボルタの存在感。メイクに5時間かかった、その容姿をジックリご覧あれ。父親役のクリストファー・ウォーケンも好演、リンク役のザック・エフロンも注目株と話題満載です。

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キングダム/見えざる敵

おすぎ

キングダム/見えざる敵
「キングダム/見えざる敵」は異色の映画といってもいいでしょう。“9・11”以降、アメリカ人はアラブ人を敵とみなしています。ハイジャック犯は大方がサウジアラビア人でしたし、オサマ・ビンラディンもそうでしたから…。この映画の監督ピーター・バーグは、だからこそ、アメリカ人とアラブ人がともにテロリストと戦っている姿を観客に見せようと思ったといいます。

映画の冒頭、サウジアラビアにある石油会社の外国人居住区でテロリストによる自爆テロが勃発し、100人以上が死亡し、負傷者が200人を越える惨事になります。FBIの捜査官ロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)は、法医学捜査官のジャネット(ジェニファー・ガーナー)と爆発物専門家のグラント(クリス・クーパー)、そして情報分析のアダム・レビット(ジェイソン・ベイトマン)の4人と現地へ捜査に向かうことに…。捜査期限は5日間、常にサウジ警察が同行することを条件にして…。

映画は、その捜査を追います。FBI職員とサウジ警察官アル・ガージー大佐(アシュラフ・パルフム)とは意志疎通がうまく出来なかったが、まるで戦争そのもののテロリストたちとの戦い(捜査というより戦争を見ているようです)をやるうちに現状は変わってきます。

とにかく、スサマジイほどの戦いを見せられて、言葉もありません。ただ、世界には日本人の知らない世界があるのだとつくづく感じさせてくれた映画です。

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パンズ・ラビリンス

おすぎ

パンズ・ラビリンス
メキシコの監督“ギレルモ・デル・トロ”の映画が好きです。「ミミック」「デビルズ・バックボーン」「ヘルボーイ」も見ていてワクワクしていました。スペインのペドロ・アルモドバルがデル・トロの才能に惚れこんでスペインに招いて作ったのが「デビルズ〜」だったので、私の頭の中ではデル・トロはスペインの映像作家というイメージが強かったのです。

去年アメリカで公開され、米アカデミー賞で“撮影賞”“美術賞”“メイクアップ賞”の3部門でオスカーを受賞した、期待の「パンズ・ラビリンス」も舞台はスペインなのです。

それも時は1944年、フランコ政権真っ只中、レジスタンスが各地で政府軍と戦っている時、その山の中の道を親子を乗せた自動車が走っていきます。母カルメンは政府軍のビダル大尉の子がお腹にいて、すでに臨月を迎えています。娘のオフェリアは前夫の子で、再婚の義理の父に不安を持っています。山道の途中で車が止まり休憩に入った時、オフェリアは道端で石像を見つけます。片目がとれた石像に傍に落ちていた目をはめこむと、そこから妖精が出てきます。さあ、オフェリアに与えられた2つの世界。現実と地底に存在する王国、信じられないようなストーリーが展開されていきます。

なんと緻密に幻想的に、恐怖に充ち作られていることか!! 一見の価値、千金の価いの映画です。

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