おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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ベオウルフ/呪われし勇者

おすぎ

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英国文学最古の英雄叙事詩で、あの「ロード・オブ・ザ・リング」にも影響を与えたとされる「ベオウルフ/呪われし勇者」が映画化され、急遽公開されることに…。

6世紀のデンマーク。国王フローズガールを讃え、賑やかな宴が催されている時、突如、醜く巨大な怪物グレンデルが襲いかかってきて王国は恐怖につき落とされてしまう。怪物を退治したものは富と名声を…と国王が約束するが立ち向かった者は死を迎えるだけだった。そこへ、ひとりの勇者が海の向こうからやってきた。ベオウルフと名乗り、怪物を美事に倒してしまうが、王国には再び殺戮の嵐が襲いかかる。誰の仕業か、とベオウルフが問うと国王は怪物の母親の仕業と答えたので、翌日、ベオウルフはその母親が棲む洞窟に向かう。そこで出会った母親は妖しくも美しい女だった。彼女はベオウルフを誘惑し、私を抱いて息子を授けてくれるなら莫大な富と偉大な王の称号を約束しようと言う。ベオウルフは情交をし怪物を退治したと国王に報告するが、王はその言葉を信じず、だが王位も王妃も、すべてベオウルフに譲ると言い残し、自殺してしまう。王位を手にしたベオウルフを待ち受ける運命とは…。

実写版映画と思って見たら、ロバート・ゼメキス監督が開発したパフォーマンス・キャプチャー技術でのCGアニメでありました。レイ・ウィンストンも、アンソニー・ホプキンスも、アンジェリーナ・ジョリー(彼女だけアニメに負けない、まったく本人でありました。笑ってしまった)もアニメでした。

前半は違和感ばかりでしたが、後半のスペクタクルのスゴさには目を奪われました。
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フライボーイズ

おすぎ

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複葉機という飛行機がスクリーンを所狭しと活躍した映画を久しく見ていません。古くは1927年の「つばさ」、1966年の「ブルー・マックス」などがありますが、私の好きなのは日本から石原裕次郎さんが出演していた「素晴らしきヒコーキ野郎」でした。飛行レースを描いた70ミリの大作で、夕焼け空を何機もの複葉機が飛んでいる様は夢を見ているみたいでした。あれから何10年も過ぎて60過ぎてからスクリーンでお目に掛かるとは思いませんでした。

「フライボーイズ」は第一次世界大戦にアメリカが参戦しなかった時、アメリカ人が志願兵としてフランスに渡り、連合軍に加勢しました。アメリカ人初の戦闘飛行中隊“ラファイエット戦闘機隊”の実話を基に作られた映画です。カウボーイとして生きてきたのに牧場を銀行からとられてしまったローリングスは、ヨーロッパで奮闘する戦闘機パイロットの姿をニュース映画で見てフランスに渡ります。ラファイエット隊に加わった彼の同僚たちはそれぞれの事情を背負った者ばかりでした。フランス人の上官に指導されながら初の出陣へ。

今、考えると、なんと大らかな戦争だったのか(勿論、当時は悲惨なものでしたが…)、複葉機の飛ぶシーンの牧歌的なこと…。悪あり、友の死あり、友情ありの大作です。ジェームス・フランコジャン・レノが好演。ケッコウ好きな映画です。
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ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた

おすぎ

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レストランを舞台にして、料理をふんだんに見せてレシピも作ってくれる映画は、この何年か多く公開されていますが、“パイ”のみにこだわって、それをスクリーンに出した映画って、これが初めてだと思います。

南部の田舎町のダイナーでウエイトレスをやっているジェンナは今、仲間のドーンとベッキーと一緒に妊娠検査薬の結果を見ています。陽性と出た途端、ジェンナは頭の中で今の状況に合ったパイを完成させます。スモークハムと卵とブルーチーズのキッシュで、名付けて“アールの赤ん坊なんていらないパイ”。という具合に、何でもパイのレシピにしてしまう特性を持った女性の日常生活(アールとは彼女の夫で、結婚したら暴力男となり、自己中で、しみったれ男でもあります)を描きながら、女性の弱さと強さを見せてくれます。

この映画の素晴らしいことは、フィクションなのに登場人物が皆、私たちの周りにいる人たちと符合するのです。私の自論は「映画の中に家族や友人、自分みたいな人物を見い出したら、その映画は自分にとっての名画です」。だから、私にとって「ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた」は名画なのです。それに、登場人物全てが“少しの不幸”を背負っているというのも、とてもいい!! ラスト幸福な気分になるのもいいのです。
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ボーン・アルティメイタム

おすぎ

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マット・デイモンのジェイソン・ボーンシリーズの完結編「ボーン・アルティメイタム」 はスゴイ、面白いの一言。記憶を失って“自分探しの旅”に出たボーンが、やっと何者であるかが明かされます。

映画は2作目のラストだったモスクワから始まります。警察から逃れたボーンはパリに行き、ロンドン、スペインのマドリッド、そしてモロッコのタンジールと足を伸ばしていきます。どの街でも派手なアクションを展開しながらの移動です。この間、45分ぐらいでありますから、まるでロケットの打ち上げ状態。瞬きをしていたら何が起こっているか判らなくなります。そのくらいのスピード(映画の展開の中で、こんな言葉はあまり使いません)で画が流れていきます。そしてボーンはニューヨーク、CIAの本部に乗りこむ決心をします。そこに待っているものは…。

監督のポール・グリーングラスは「観客が求めているのは胸にせまる感動あり、度肝を抜くアクションありの、知的なスパイ映画だ」と言う通りの映画に仕上がっています。マット・デイモンのキレのあるアクション、冷静で賢明な行動力のある演技に感動してしまいます。デビュー時のあのポッチャリ型の体型が、ここまで締まってくるのも見どころのひとつです。
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