おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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デッド・サイレンス

おすぎ

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ホラー映画大好き人間の私にとって「サイレント・ヒル」以来、胸をときめかすホラーに出会っていませんでした。それがウーンと唸ってしまうほど、懐かしくも情緒あるホラーを見て胸が踊ってしまいました。それも私が大嫌いな「ソウ」シリーズを作ったジェームズ・ワン監督と脚本家のリー・ワネルのコンビが作ったので、余計嬉しくなってしまったという“オマケ”もついた映画なのであります。タイトルは「デッド・サイレンス」。このホラーのアイテムは“腹話術の人形”。古いでしょう。懐かしいでしょう。スタッフは、昔々のユニバーサル映画のホラー映画へのオマージュでこの映画を撮ったみたいです。だから映画の頭に出るマークが'50年代のユニバーサルの地球の周りをプロペラ機がまわっているモノクロのもの、このオープニングから気に入ってしまいました。ある雨の夜、若い夫婦のもとに差出人不明のトランクが届きます。中にはビリーという名前の“腹話術の人形”が入ってました。夫がちょっとした買い物に出て戻ってくると妻は舌を抜かれてベッドの上で死んでいました。夫は、人形を見た時ある詩を口ずさんだ妻のことを思い出し、詩が読まれた夫の故郷レイブンズ・フェアに向います。果して、そこには何が待っていたのか?

とにかく“悪魔の手鞠唄”のように詩が謎を解く鍵に。そして、100体の人形が登場してくるクライマックス、衝撃のラストは思わず息を飲んでしまう嬉しさなのです。
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■「デッド・サイレンス」劇場・作品情報はコチラ
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ノーカントリー

おすぎ

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今年の米アカデミー賞作品賞を受賞したコーエン兄弟の「ノー・カントリー」は今まで見たことの無いテクスチャーを持った映画であります。ストーリーは、偶然ハンティングの最中に、麻薬の取り引きらしい現場で何人かの人間が死んでいて、樹木の下で座った格好で息を止めていた男の傍らにトランクがあり、その中に200万ドルという大金が入っているのを見つけた、ベトナム帰りの男ルウェリン・モスが、そのトランクを猫糞(ねこばば)してしまう。その男をアントン・シガーという殺し屋が追うというもので、そのシンプルな筋に事件を追う保安官エド・トム・ベルが絡んでくる、という具合で今までもストーリーとしては無いことはないものなのです。しかし、殺し屋シガーが扱う武器が異様なもの(ホースの先から圧縮された空気が飛び出すエアガンのようなもので、常にボンベを持って行動する)で、大きなスクリーンを見ながらも、目はその武器に吸い寄せられてしまいます。勿論、追いつ、追われつのサスペンスは面白いのですが、殺し屋を演ずる“ハビエル・バルデム”の、これまた、異様な髪型と、殺し屋の何んという行動力に圧倒されてしまいます。映像はクリアーなのに、どこかシュールな面をもっていて、ラストまで息もつけずに見てしまいますが、これがアカデミー賞でオスカーを獲った、というと“品格”としてはどうかなあと、おすぎは思うのであります。

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魔法にかけられて

おすぎ

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ディズニー・クラシックを見て育った私にとって、この映画は、たまらなく懐かしいのと、御伽の国の住人というのがこんなにクッキリと描かれた映画に出会えて最高!! という気持なのであります。

「魔法にかけられて」はオープニングはアニメーションであります。夢と魔法の国“アンダレーシア”の森の奥に動物たちと住む美しい娘ジゼルは、巨人の怪物に襲われていたところをエドワード王子に助けられ、一目で恋におち、結婚へ。結婚式の当日、お城に行ったジゼルを待ちうけていたのは、王子の継母で女王、そして魔女のナリッサだった。“何でも願いが叶えられる井戸”に連れられていき「永遠の幸せなど無い所に行け!!」と言われながら井戸につき落されてしまうジゼル。ここまではアニメで、このあと井戸の底につき、マンホールの蓋を押しあげて外に出たら、そこはマンハッタンの中心“タイムズ・スクウェアー”の真っ只中だった。ここからは実写。愛の無い場所がニューヨークとは…。この街でジゼルを救ったのが離婚専門の弁護士ロバートと彼のひとり娘のモーガンだった。さてジゼルと王子の恋は…。御伽話の恋と現代の恋との違いを鮮やかに見せてくれるストーリーの美事さもあり、NYの弁護士のアパートが汚れているのでジゼルが窓を開けて歌を唄うとNYの鳩、鼠、ごきぶりがあつまってきて、掃除をしてくれる、なんて楽しいシーンもあります。魔女も王子も次々とNYに現われるのも嬉しい映画です。

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バンテージ・ポイント

おすぎ

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映画会社の廊下に張ってあったポスターを見て(ハリウッド・オリジナル)「これって何?」って聞いたら「おすぎさん、これから見る映画ですよ」と宣伝部の人に言われてしまって、まったく期待もしていなかったし、そんな映画があるなんて情報も無かったので知らなかった、のが、ものすごく面白かった、というのが「バンテージ・ポイント」でした。

“バンテージ・ポイント”は熟語で“(有利な)観点”という意味であります。スペインのサラマンカのマヨール広場で5大陸の首脳たちが対テロ戦争について話し合うイベントで、アメリカのアシュトン大統領がシークレットサービスのトーマス(デニス・クエイド)、ケント(マシュー・フォックス)に先導され、ステージに上り演説を始めようとした矢先、銃声が響き、大統領が倒れた。ステージに駆け上るトーマスの目にナップザックをテントの中に投げ込む人の影が…。「爆発するぞォ」と声を出したが遅く、一回目の爆発が、つづいて大きな爆発が起り、広場は修羅場へと化していく。この一連の動きを8つの視点(ポイント)から、それぞれの人物が体験した様を映画は繰り返し見せていく。リワインドという手法を使って観客は8回、登場人物の違う状態で狙撃現場を見ることに…。そして24分後、真相が明かされていく。

広場から市内へ、過激なカーチェイスあり、テロリストのドンデン返しあり、極上のクライマックスへ…。大興奮の面白さ。見なきゃ損。

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