おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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ナルニア国物語/第2章“カスピアン王子の角笛”

おすぎ

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「ナルニア国物語/第1章“ライオンと魔女”」はハッキリ言って“子供向け”でした。とは言っても“アスラン(ライオン)”の存在がケッコウ楽しめたのと、CGやVFXなどの進化がこの手のファンタジーには不可欠であると、まざまざと思わせてくれました。

今公開中の「ナルニア国物語/第2章“カスピアン王子の角笛”」は、“つまらなかった”と言う人もいますが、私はケッコウ楽しく見ました。前作より1300年後のナルニア国はテルマール人という人間によって侵略され、植物も動物も、ミノタウロスもドワーフも、多くの者は殺され、わずかに残った者たちは森深く隠れて暮らしていた。テルマール王国の正当な世継カスピアン王子は、伯父ミラースに実権を握られ追われる身となってしまった。追っ手にかこまれた王子は、最後の手段として博士がくれたスーザン女王の角笛を吹いた。その角笛の音はロンドンの地下鉄構内にいたペベンシー4兄妹(ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシー)をナルニア国へ戻すことに…。

この第2章では子供たちのグローイング・アップがメインに描かれます。特にピーターとスーザンの成長はめざましく、宣伝で“カスピアン王子”と謳っていますが、芯はこの兄妹たちのストーリーといっていいでしょう。CG、VFXも前作よりパワー・アップして、特に後半は楽しめました。

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アウェイ・フロム・ハー/君を想う

おすぎ

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アルツハイマーを題材にした映画は「アイリス」などの良質なものがすでにありますが、「アウェイ・フロム・ハー/君を想う」も、素晴らしく良く出来た映画です。驚くのは「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」の主演女優サラ・ポーリーが脚本、監督をしたことです。師匠のアトム・エゴヤンは製作総指揮という立場で、この映画に参加しています。

結婚して44年になるグラントとフィオーナは仲の良い、知的で、互いを深く愛している夫婦だった。そんな夫婦に不都合なことが訪れる。妻のフィオーナにアルツハイマー型認知症の影が忍び寄っていたのです。ある日の夕方、ひとりでクロスカントリーに出かけたフィオーナは自分がどこにいるのか判らなくなります。夜になってグラントが捜しに出た時、道端で途方に暮れていた妻を見つけました。病気を無視出来なくなり老人介護施設に入ることを決意したフィオーナは、夫の反対も聞かず施設に向かった…。

どんなに深く愛し合っていても、それは人生を変えてしまいます。忘れていく方もツライが、正気でいる方はもっとツライ人生になります。そのあたりを映画は冷酷なほどつき放して描きます。フィオーナ役のジュリー・クリスティーが迫心の演技を見せてくれます。品のいい、上質なものを身につけていた妻が施設の中で、すべてかまわなくなっていく様は…一見も二見も価値ある映画です。

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ランボー 最後の戦場

おすぎ

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20年振りに“ランボー”がスクリーンに戻ってきます。これが、ちょっとした衝撃なのであります。1982年、'85年、'88年のランボーは、どこか漫画チックな面がありました。紛争のある場所に出掛けて“一人軍隊(ワンマン・アーミー)”をやりますから、カリカチュアライズされたり、エンターテインメントだから許されちゃったりしました。ところが今回はスタローン自身が「“戦争”を本気で撮る」と宣言したらしい。

舞台はミャンマー。ランボーはどこにいたのか、これが“タイの北部のジャングル”なのです。毒蛇を捕えてスネークセンターに売って生計をたてたり、河に浮かべたボートで人や荷物を運んだりもしています。そんな毎日の中に、コロラド州のキリスト教支援団が訪れ、隣国ミャンマーの軍事政権が国境近くのカレン族を迫害し、虐殺しているので、彼らに医療品を届けるために道案内して欲しいと言う。初めは渋っていたランボーだが、一行の中のサラという女性に説得され出発することに…。一行をミャンマーに送って何日か後、彼らが軍隊に拉致されたという情報が入る。ランボーは傭兵部隊の男たちと支援団救出に向かうのだった…。

ストーリーはともかく、戦闘シーンのすさまじさにショックを受けました。60年映画を見てきて、かなり残酷なシーンも見ましたが、今回は思わず手で目を覆ってしまうシーンもあり、ちょっとヒキました。それでも一見の価値はあると思います。

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最高の人生の見つけ方

おすぎ

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ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンがプライベートにも親しくつき合っているっていうのも小さな驚きでありますが、このふたりが共演する「最高の人生の見つけ方」の息のあった演技には感嘆してしまいます。

原題は「棺おけリスト」といって、ガンにかかって余命6ヶ月と宣告された自動車整備士のカーター(M.フリーマン)が、学生時代にある教授から教わった“棺おけリスト(死ぬまでにやりたいこと、見たいものなどをリストにする)”をベッドの上に置いていると同室の大金持ちのエドワード(J・ニコルソン)が声を掛けてきて、リストのことを質問します。初めは邪険にしていましたがリストのことを話すと、エドワードも余命6ヶ月で、金は腐るほどあるからリストの中味を実行に移そうと、ふたりで病院から飛び出すことに…。

スカイダイビングからピラミッドの頂上、世界最高級のレストランの食事からアフリカでのライオン狩りなどなど、とても贅沢で楽しさに溢れた旅を見せてくれます。ただし、その根底に流れている“余命何日”という哀しさがストーリーに厚味を持たせてくれます。脚本のうまさとロブ・ライナーの演出の巧みさで笑いながら、ちょっぴり切なくなりながらも、“人生”“家族”“愛”“死”を考えさせてくれる秀作であります。ジャック・ニコルソンの存在感に圧倒されます。

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