
1968年、ジャック・カーディフ監督の「あの胸にもう一度」という映画でアラン・ドロンと共演したエナメルのジャンプスーツに身を包んだ女優を憶えていますか? と書きながら今から40年前の映画を見ている人って若い人には少ないにきまっているし、年輩の人も憶えている人は少ないかもしれないなあと感じています。
このジャンプスーツを着てオートバイに跨っていたのがマリアンヌ・フェイスフルという女優でした。当時、彼女はミック・ジャガーの恋人でした。歌手でもあり女優としての姿も1969年に終焉を迎えます。ドラッグの過剰摂取で意識不明の重体になり、その後、ドラッグ中毒となり華やかな舞台から姿を消しました。80年代に入って歌手として活動を開始し、映画にも顔を出すようになりソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」にも出演、そして「やわらかい手」で堂々たる主演女優復活をなし遂げました。
その「やわらかい手」は、なかなかユニークな映画です。孫が難病のため海外で手術をするのに莫大なお金が掛かる主婦のマギーは、ソーホーの歓楽街の風俗店でラッキー・ホール(壁に穴が開いていて、男の客が、その穴に男性自身を入れると女性の手によって男の客を絶頂に導くという、日本の新宿・歌舞伎町で開発されたもの)の接客として働くことに…。彼女は“イリーナ・パーム”(手のひらイリーナ)という源氏名で評判を呼ぶが…。
とにかく良く出来た映画です。中年過ぎの女性の生き様が清々しく描かれているのがとても素晴らしいし、風俗店の店長がイキで楽しい。なかなかの佳作です。
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いろんな事があった人生でも、こうして復帰出来るようになったなんて、ともかく良かった。人間、まんざら捨てたものじゃぁないですね。