おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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ぐるりのこと。

おすぎ

ぐるりのこと。.jpg
今年度、日本映画ナンバー・1と私が決めた映画が公開されます(6月7日より)。6年振りに新作を発表したのは「ハッシュ」の橋口亮輔監督。「ぐるりのこと。」は、法廷画家を職業としたカナオと本の編集者だった妻の翔子の10年にわたる夫婦の話です。

橋口さんは、この6年の間に“鬱(うつ)”を患い、そこからの回復の体験(映画の設定として翔子がウツになることは患う前から決まっていた、といいます)をし、肉体的にも精神的にも、ツライ状態の中で撮り上げた作品です。映画の最初に翔子は妊娠していますが、お腹の子は死んでしまい、それがキッカケで“ウツ”にかかってしまいます。夫のカナオは、そんな妻と向き合いながら、裁判所で画を描いていきます。10年の月日の中で、様々な事件を絵にしていきます。その社会の動きと夫婦生活の時の流れがリンクされ、ひとつの夫婦の歴史が描かれていきます。

とにかく、これほど見ている最中に“夫婦”のやさしさが心に浸みこんだ映画は今までなかった。私はゲイだから、夫婦というものを頭では判っていても実感として感じたことはありませんでした。それが、この映画で「もしかしたら夫婦っていうものの何センチかが判った」心境になりました。夫役のリリー・フランキーさんがなんと美事な演技を見せてくれることか。必見の一本です。

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■「ぐるりのこと。」劇場・作品情報はコチラ
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この記事へのコメント
  • まっこうさん
  • 2008-06-10 10:18
今年度ナンバー1には早いけど、ここ数年みた邦画の中では、ナンバー1ですね。おすぎさんのコメント通り、夫婦愛を時代にのせて、かつ法廷画家という味付けで料理してます。チラッとしか出ない人も結構ビッグネームだったりして、これも楽しめます。
頑張ってくださいね!*
  • bananaさん
  • 2008-07-01 14:29
おすぎさんの感想を読んで、ますます見たくなりました。リリー・フランキーさんが『今どきの大人はウツのひとつも嗜んでいて当たり前』みたいなコメントをしていて、うつでしんどい思いをしている人にとってはイヤな気持ちかな?と思いつつ、私はなんだか救われるというか、リリーさんがコメントしたからかもしれないけど、なんだか笑っちゃいました。私も夫婦というものを数センチ、感じてみたいと思います。
  • ぐるりさん
  • 2008-07-06 00:42
おっしゃるとおりすばらしい映画でした。

妻とふたりで見ましたが、
キハズカシイほどに互いの大切さを実感させられました。
  • 藤さん
  • 2008-07-12 01:41
おすぎさんの感想を読ませていただき是非見たくなり映画館に行きました。本当にとても良かったです。リリー・フランキーさんは活字でしか知りませんでしたが、どんな言葉や行動でも品の良さが失われずこの役に何ともいえない趣がありました。
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