
何10年も前に見た映画を、その後何10年もの間、何度も見てみたい、なんて思うこと、そう滅多にあることではありません。中学生になるかならない頃、封切館でなく3番館と呼ばれた映画館で見た記憶がウッスラとあり、その後、横浜市の図書館のような施設の小さなスクリーンで、もう一度出会ってから50年近く見ていない映画。VTR、DVDも、これだけ発売されているのに、どこを見ても姿形の見えなかった映画。それが、この夏、映画館で見られることに…。
その映画とはアルベール・ラモリス監督、1956年製作「赤い風船」なのです。10歳のパスカルが、ある朝、学校へ行く途中で見つけた、1個の赤い風船、街灯のランプの枝のところに引っ掛かっていたのを街灯をよじ登って手にします。バスに乗ろうとしますが、風船を持って乗ってはいけない、と車掌に言われ、走って学校へ。授業中待っていてくれた赤い風船を、放課後しっかり握って家路へ。途中で雨が降ってきて、自分は濡れても風船を濡れさせないように、おじさんやおばさんの傘の中に入れさせてもらって家へ。家ではおばあさんが風船を家に入れてはいけないという。仕方なく、風船によく言い聞かせて手から紐を離すと、不思議なことに風船はパスカルの部屋の窓のところで浮いています。赤い風船はパスカルと友達に…。彼の行くところ、どこでもついてくるように…。そして悲劇が…。
CGもVFXも発達していない時代に、こんなにファンタジーな映画があったことに大感銘です。'53年製の「白い馬」と同時上映。必見の2本です。
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